- フランス領ポリネシア
- Polynésie française
フランス領ポリネシアの旗 フランス領ポリネシアの紋章 公用語 フランス語、タヒチ語 行政所在地 パペーテ
最大都市:パペーテ大統領 エマニュエル・マクロン 自治大統領 エドワー・フリッチ 高等弁務官 ルネ・ビダル 面積 - 総面積 4,167 km² - 水面積率 (%) 12% 人口 - 推計(2015年7月[1]) 282,703人 - 人口密度 76人/km² GDP (PPP) (2014年推計) - 合計 56億2,300万米ドル[2] - 1人当り 2万981米ドル[2] 通貨 CFPフラン ( XPF
)時間帯 UTC-10 ISO 3166-1 PF / PYF ccTLD .pf 国際電話番号 +689
フランス領ポリネシア(フランス語: Polynésie française)は、南太平洋にあるフランスの海外共同体(Collectivité d'outre-mer、略してCOM:英語:overseas collectivity、海外準県)であり、その中でも海外領邦(仏語:Pays d'outre-mer、略してPOM:英語:Overseas Country)という特別な地位を有している。ポリネシアのいくつかの諸島からなる。
ソシエテ諸島のタヒチ島は、リゾート地として最も有名な島で、フランス領ポリネシアの中心地でもある。タヒチの面積は1,608km2の火山島でオロヘナ山(2,237m)が最も高い山。人口も最大であり、行政所在地パペーテがある。コプラ、ノニ(ヤエヤマアオキ)、真珠母貝、黒蝶貝真珠(黒真珠)、バニラ、果汁、マグロなどを産出する。
目次
歴史[編集]
ヨーロッパ人の侵入以前[編集]
現在のフランス領ポリネシアに最初に人類が到達した時期については諸説あるが、5世紀から8世紀頃にはトンガやサモアなどの西ポリネシアから航海カヌーでやってきたポリネシア人たちが、この海域の島々を次々に発見し、定住していったと考えられている。
現在、それらの島々の中でも最も早く発見・植民されたと考えられているのはマルケサス諸島である。古代のポリネシア人たちはマルケサス諸島を東ポリネシア海域の根拠地とし、ここからラパ・ヌイやハワイ諸島、タヒチ島、トゥアモトゥ諸島、アオテアロアなどに拡散していったとの見方が、今のところ最も有力である。
ヨーロッパ人の来航[編集]
1595年にスペイン人のアルバロ・デ・メンダーニャ・デ・ネイラが南米のペルーから出航し、マルケサス諸島の4島に次々に上陸した。1606年にはポルトガルの航海者がトゥアモトゥ諸島のハオ島に到着している。タヒチ島には、1769年イギリスの航海者サミュエル・ウォリスがヨーロッパ人として初めて来航した。続いて1786年にはフランス人のルイ・アントワーヌ・ブーゲンビルがタヒチ島を訪れており、1769年にはジェームズ・クックもタヒチ島に訪れている。
バウンティ号の反乱[編集]
パンノキを採取し、タヒチ島から西インド諸島のジャマイカへ向かう途中、航海士フレッチャー・クリスチャンを始めとする、ブライ船長のやり方に対して不満を持っていた十数人の乗組員が太平洋上で反乱を起こしたのである。彼ら反乱者達はバウンティ号を乗っ取って、タヒチ島に戻り、そこでタヒチ人の男女数人を連れてゆき、誰にも見つからない、どこか遠くの無人島に住み着こうとし、1790年に無人の孤島ピトケアン島にたどり着き、住み着いた。
フランスによる植民地化[編集]
タヒチ島は1791年頃よりポリネシア系のポマレ王朝によって支配されてきたが、1842年に女王ポマレ4世がフランスの圧力に屈し、タヒチ島とモーレア島をフランスの保護領とする条約に署名。1880年のポマレ5世の主権譲渡への署名によりタヒチ島はフランスの植民地となり、以降、フランスは本格的にタヒチ島に進出していった。
地理[編集]
フランス領ポリネシアには118の島があり、うち67の島に人が住んでいる[3]。総面積は4,167km2(石川県とほぼ同じ)で、250万km2の範囲の海域に多数の島が散らばっている。フランス領ポリネシアに含まれる島はソシエテ諸島(タヒチ島、モーレア島、テティアロア島、フアヒネ島、ライアテア島、タハア島、ボラボラ島、マウピティ島、ツパイ島など)、オーストラル諸島(トゥブアイ諸島、バス諸島)、トゥアモトゥ諸島(ムルロア環礁など)、ガンビエ諸島、マルキーズ諸島(マルケサス諸島)である。かつて含まれていたクリッパートン島は、2007年2月22日からフランス政府の直接統治下に入った。
キリバスのライン諸島とは同じ標準時を採用しているように見えるが、ライン諸島がUTC+14であるのに対し、フランス領ポリネシアはハワイ諸島と同日同時刻のUTC-10であるため、キリバスよりも日付が1日遅れることになる。ちなみにフランス領ポリネシアの標準時は、日本時間の19時間遅れ、フランス本国の11時間(本国が夏時間のときは12時間)遅れである。
住民[編集]
2002年の国勢調査によると、総人口24万5,405人のうち、83%がポリネシア人、12%がヨーロッパ人、5%が東アジア人となっている。また、タヒチ1島だけで全人口の69%を占める。首府パペーテの都市圏は12万7,635人の住民を有している。
言語[編集]
ソシエテ諸島(タヒチ島など)ではタヒチ語、マルキーズ諸島ではマルキーズ語、トゥアモトゥ諸島ではトゥアモトゥ語、ガンビエ諸島ではマンガレバ語、オーストラル諸島ではオーストラル語、ラパ島ではラパ語が話される。
経済[編集]
フランス領ポリネシアの経済は、中程度に発達しているが、それらはフランス本土からの輸入、観光産業、財政援助によって支えられている。観光産業はかなり発達しており、主要島のほとんどで見受けられる。
フランス領ポリネシアは世界最大の黒蝶真珠の輸出国で、世界の90%以上のマーケットシェアを誇っている。最盛期の1990年代には年間およそ8トンから10トンの輸出量、金額にして200億円以上の輸出を記録している。黒蝶真珠の輸出には1グラムあたり200xpfの真珠輸出特別税が課せられ、多いときには20億円以上の直接税収がもたらされている。
情報・通信[編集]
放送は本国フランス共和国の放送局フランス・テレビジョンが傘下に置く海外領土向けチャンネルのRFOがある。フランス領ポリネシアにおいてはRFOのフランス領ポリネシア局のRFO Polynesieが放送している。ほかにCanal+の傘下にあるCanal+ Polynesieなどがある。インターネットにおいてはフランス領ポリネシアに限らず本国のプロバイダも利用される。新聞は売店などでの販売が主流。
交通[編集]
パペーテ・タヒチ国際空港を拠点にエア タヒチ ヌイが国際線を、エアタヒチが域内の空路と、クックアイランドへの運航している。国際線は本国のほか、オーストラリア、ニュージーランド、日本(成田国際空港)、アメリカ合衆国ロサンゼルス経由パリなどへ就航している。また、エールフランスやニュージーランド航空、LATAM航空(チリ)、ハワイアン航空なども乗り入れている。
脚注[編集]
- ^ “French Polynesia”. CIA The World Factbook. 2016年8月19日閲覧。
- ^ a b “French Polynesia”. United Nations. 2016年8月19日閲覧。
- ^ Formation des îles / hautes et des atolls, Tahiti tourisme
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