2014 FIFAワールドカップ 2014 FIFA World Cup Copa do Mundo de Futebol FIFA Brasil 2014 | |
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大会概要 | |
開催国 | ブラジル |
日程 | 2014年6月12日 - 7月13日 |
< 20102018 > |
2014 FIFAワールドカップ(英: 2014 FIFA World Cup)は、2014年6月12日から7月13日にかけて、ブラジルで開催される予定のFIFAワールドカップであり同大会としては節目の20回目となる記念大会。また、同国での開催は、決勝戦が『マラカナンの悲劇』と呼ばれた1950年の大会以来64年ぶり。
現在の状況[編集]
開催国選定の経緯[編集]
2006年5月20日に行われた記者会見で、ゼップ・ブラッター国際サッカー連盟会長は、「"2010年以降のワールドカップ(以下 W杯)では各大陸連盟での持ち回りで開催する" と定めた原則に基づき、南米での開催を前提としている」という主旨の発言をした。開催国については2007年10月30日にスイス・チューリヒで開かれた理事会で決定された。
南米での開催国競争の過程[編集]
当初から南米サッカー連盟が加盟各国の総意としてブラジルでの開催を希望しており、ブラジルも正式に立候補を発表していた。2006年12月18日に立候補国の応募が締め切られ、ブラジルのほか、1986年W杯の開催国に決まりながら財政上の問題で開催できなかったコロンビアも正式に立候補。両国による一騎打ちとなった。
これ以前、アルゼンチンとチリが両国の共催を前提に立候補した事例があった。この件についてはFIFAとして2ヶ国共催の意思はなく、開催条件に適う質のスタジアムがある国での単独開催が前提と発言。両国は早々に開催国競争から撤退した。
ブラジル開催決定[編集]
2007年4月11日、コロンビアサッカー協会はFIFAワールドカップの招致を断念したと発表。これにより、ブラジルが南米からの唯一の立候補国となり、同年10月30日、1950年大会以来64年ぶりとなるブラジルでの開催が正式に決定した。
なお、ワールドカップ持ち回りシステムは2007年10月29日のFIFA理事会で破棄され、2018年以降の大会については「オープンビッド(自由立候補)」となった。 これについて、現FIFA会長ブラッターは「持ち回りシステムの採用は、これまで開催がなかったアフリカ、そして1978年以来30年以上もワールドカップを開催していない南米にもっていくための方便だった」と説明している。[1]
大会マーク[編集]
2010年7月8日、大会の公式マーク「インスピレーション」が発表された。マークはブラジルの国旗の色である「緑と黄色」で「3つの手」を構成し、これをFIFAワールドカップトロフィーの形に見立て「歓迎の気持ち」を表現している[2]。
開催日程発表[編集]
改修[編集]
なお、ワールドカップ開催とその2年後の夏季オリンピック開催に向けて、リオデジャネイロ市街にあるアントニオ・カルロス・ジョビン国際空港のターミナルの改修工事が行われているほか、駐車場の増床工事も行われる予定である。
予選大会[編集]
詳細は「2014 FIFAワールドカップ・予選」を参照
2011年3月3日のFIFA理事会で、大陸別出場枠が決定された。開催国枠以外は2010 FIFAワールドカップと同じである。また、大陸間プレーオフの対戦相手は抽選で決めることとされた。予選には203の国・地域が参加した。
出場国[編集]
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本大会[編集]
開催都市[編集]
2009年5月31日、バハマの首都ナッソーで開かれたFIFA執行委員会により、開催候補となった17都市のうち、ベロオリゾンテ、ブラジリア、クイアバ、クリチバ、フォルタレザ、マナウス、ナタール、ポルトアレグレ、レシフェ、リオデジャネイロ、サルバドル、サンパウロの12都市で行なうことが正式に発表された。 [7]
リオデジャネイロ | ブラジリア | サンパウロ | フォルタレザ |
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Maracanã マラカナン | Estádio Nacional ナシオナル | Arena de São Paulo アレーナ・デ・サンパウロ | Estádio Castelão カステロン |
収容能力: 76,804 (増築)[8] | 収容能力: 70,064 (改築) | 収容能力: 65,807 (新築)[9] | 収容能力: 64,846 |
ベロオリゾンテ | ポルト・アレグレ | ||
Estádio Mineirão ミネイロン | Estádio Beira-Rio ベイラ・リオ | ||
収容能力: 62,160 | 収容能力: 48,849 (upgraded) | ||
サルヴァドール | レシフェ | ||
Arena Fonte Nova フォンチ・ノヴァ | Arena Pernambuco アレナ・ペルナンブーコ | ||
収容能力: 48,747 (改築) | 収容能力: 44,248 (新築) | ||
クイアバ | マナウス | ナタール | クリチバ |
Arena Pantanal アレーナ・パンタナール | Arena Amazônia アレーナ・アマゾニア | Estádio das Dunas ドゥーナス | Arena da Baixada アレナ・ダ・バイシャーダ |
収容能力: 42,968 (改築) | 収容能力: 42,374 (改築) | 収容能力: 42,086 (改築) | 収容能力: 41,456 (増築) |
気候・時差[編集]
大会開催時期の6月から7月は国土の大部分が南半球であるブラジルは冬期であり、結果的に2大会続けての冬季開催となる。しかしながら、国土の93%は熱帯地域に属している為、冬季ながらも全体的に温暖である。但し、試合会場の最北端のマナウスは6月の平均気温が27℃の熱帯雨林気候で、レシフェ、ナタール、フォルタレーザ、サルヴァドールなども熱帯気候となり高温多湿で暑さが厳しい。リオデジャネイロは、サバナ気候で6月の平均最高気温は25℃、平均最低気温は19℃、7月の平均最高気温は26℃、平均最低気温は18℃で、7月に入ると降水量が少なくなる。一方、サンパウロは、温暖湿潤気候で6月頃から8月頃までの冬季は10℃以下に下がり霜がおりることもある。6月の平均最高気温は21.7℃、平均最低気温は12.3℃、7月の平均最高気温は21.8℃、平均最低気温は11.7℃である。会場の最南端のポルトアレグレは平均気温15.1度の温帯気候となり、特に南部の標高の高いクリチバでは6月の平均最低気温は7.8℃で稀に氷点下まで下がったり、雪が降ることさえある。このように、開催都市の気候差はかつてないほど大きく、真夏から真冬までと様々である。標高差も大きく、ブラジリア、サンパウロ、ベロオリゾンテ、クリチバの標高は約800~1,200m前後となるが他は200m以下の低地となる。
ブラジルの時間帯は、協定世界時(UTC)よりブラジル東端2時間からブラジル西端5時間遅れ(UTC-2〜UTC-5)である。ブラジルのサマータイムは10月第2日曜から2月第3日曜までで、大会期間とは重ならない。州ごとに異なり、採用していない州もある。開催都市12都市のうち、ベロオリゾンテ、ブラジリア、クリチバ、フォルタレザ、ナタール、ポルトアレグレ、レシフェ、リオデジャネイロ、サルバドル、サンパウロの10都市がUTC-3で、クイアバ、マナウスの2都市がUTC-4である。
W杯初のゴール機械判定導入[編集]
2012年7月5日、スイス・チューリッヒの国際サッカー連盟(FIFA)本部で行われたサッカーのルールを決める機関である国際サッカー評議会(IFAB)特別会合で、満場一致で「ホークアイ(Hawk-Eye)システム」と「ゴールレフ(GoalRef)」の両方のゴール機械判定技術(ゴールライン・テクノロジー、略称GLT)採用を決定した。FIFA主催の大会では、日本開催のFIFAクラブワールドカップ2012で初めて採用され、2012年12月6日、横浜国際総合競技場で行われたこの大会の開幕戦サンフレッチェ広島対オークランド・シティ戦で、史上初めて公式戦でGLTの1つゴールレフが使用された[10]。FIFA主催の大会では、FIFAコンフェデレーションズカップ2013、FIFAクラブワールドカップ2013、そして今大会である2014 FIFAワールドカップで、GLTとしては4番目に認可された「ゴールコントロール4D (GoalControl-4D)[11]」を採用する[12][13]。ゴールコントロール4Dの設置費用は、スタジアム1カ所当たり推定26万米ドル(約2548万円)で、運用費用は1試合当たり4,000ドル以下である[14]。
詳細は「ビデオ判定#サッカー」を参照
公式球[編集]
アディダスによる公式試合球の名称はブラジルのファンによって一般公募され、2012年9月にFIFAによって「ブラズーカ(Brazuca)」に決定した[15]。ブラズーカは「ブラジル人の誇り」を意味する。
大会マスコット[編集]
2012年9月12日、大会の公式マスコットが「Tatu-Bola」に決まったとブラジルメディアが伝えた。Tatu-Bolaとはブラジル固有種ミツオビアルマジロのことで、危機を感じるとボール状に丸くなる性質を持ち、また絶滅危惧種でもある[16]。なお正式名称は「Amijubi」「Fuleco」「Zuzeco」の3種類からネット投票で決定されることになり[17]、2012年11月25日に全体の約48%の票を集めた「Fuleco」(フレコ)に決まった。フレコはポルトガル語でサッカーを意味する「futebol」と、エコロジーを意味する「ecologia」を組み合わせた造語。マスコットはミツオビアルマジロをイメージしたキャラクターで、ブラジル国旗と同じ黄、緑、青が配色されている[18]。
今大会における賞金および補償金(負傷の保険金)[編集]
今大会の優勝賞金を3500万ドルにすると、2013年12月5日にFIFAが発表した。前回の南アフリカ大会から500万ドル増額された。また、準優勝のチームには2500万ドル、3位には2200万ドル、4位には2000万ドル、ベスト8(=準々決勝進出)には、1400万ドル、ベスト16(=決勝トーナメント進出)には、900万ドルとなり、グループリーグ敗退国(17位〜32位)も、800万ドルを受け取る。さらに、全出場チームには経費として150万ドルずつが支払われる。賞金総額は、5億7600万ドルとなり、前回大会の同総額4億2000万ドルから37%増となった[19]。
また、同日FIFAは欧州クラブ協会(ECA)との合意に基づき、2014 FIFAワールドカップ本大会に出場する全選手の各所属クラブに、総額約7000万ドルの補償金(負傷の保険金)を各国サッカー協会を通じて、支払うと発表した[19]。
組み合わせ抽選会[編集]
大会組織委員会は2013年3月19日、2014 FIFAワールドカップ本大会の1次リーグ全組の対戦組み合わせ抽選会は、2013年12月6日午後1時(ブラジル時間。日本時間では12月7日午前1時)に、サルヴァドールにて執り行われることを発表した[20][21]。2013年10月4日、バルクFIFA事務局長が、開催国ブラジルと2013年10月のFIFAランク(同年10月17日発表)の上位7か国の計8か国が、第1シードとして第1ポットに入ると発表した[22]。この基準により、開催国のブラジル以外に、同月付ランキングの上から順に、スペイン、ドイツ、アルゼンチン、コロンビア、ベルギー、ウルグアイ、スイスの7カ国がシードされることが決定した[23]。正式な抽選方法は、2013年12月3日に開催されたブラジルW杯組織委員会で承認された後、FIFA公式HP上で発表された[24]。
抽選方法は以下の通りである[25]。
- 「ポット1」:開催国ブラジルと2013年10月時点のFIFAランキング(対象となる試合数に公平を期すため、抽選会直前の11月時点のFIFAランキングではなく各予選プレーオフが終了する前の10月時点のFIFAランキングを用いた)上位7カ国(スペイン、ドイツ、アルゼンチン、コロンビア、ベルギー、ウルグアイ、スイス)の計8か国
- 「ポット2」:アフリカ5か国、シード国を除く南米2か国の計7か国
- 「ポット3」:アジア4か国、北中米カリブ海4か国の計8か国
- 「ポット4」:シード国以外の残りの欧州9か国
- ポット4は9か国のため、ポットの数を同数にするため事前に抽選を行い1か国がポット2に組み込まれる。この結果、イタリアがポット2に組み込まれた。
ポット1 | ポット2 | ポット3 | ポット4 |
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* イタリアは事前抽選によりポット2に組み込まれた
詳細な手順は以下の通りである。
- 地理的分離の原則 - 欧州は同じ組に最大2か国までとし、欧州を除く地域は同じ組に同じ地域の国は入らない。
- 原則として、ポット1の国をA〜H組に全て割り振ったら、次にポット2の国をA〜H組に全て割り振る。ポット2が終わったら、ポット3、ポット4の順に同様に進める。但し、詳細な手順は、地理的分離の原則を守るように行う。
- 開催国ブラジルは開幕戦を行う為、A組1番に事前に割り当てられる。残りのポット1の国は抽選で割り当てられた組の1番とする。ポット2からポット4の国の組番はランダムとし、ポットから国名が書いてあるくじ(ボールに入っている)が取り出されれるたびに、同時に組番ポットでその国の組番を決める(組番によって試合順が決定する)。
- まず、ポット1の国を抽選でA~H組に全て割り振る(開催国ブラジルはA組固定)。その後、南米4か国国名のくじを補助ポットXに入れて抽選し、事前抽選でポット2に移った欧州の1か国と対戦するポット1の南米の国を決める(地理的分離の原則通りにするため)。
- ポット2の残りの7か国を抽選で、A〜H組に割り振る。なお、地理的分離の原則に従って、その組に既に同じ地域の国が入っていた場合は、スキップされ、別の組に入る。
- ポット3、ポット4も同様に、ポットごとに抽選して、ポット内の国をA〜H組に割り振る(地理的分離の原則に従って行う)。
ドロワーは歴代優勝国の元代表選手の中から選ばれ、カフー、ファビオ・カンナバーロ、アルシデス・ギジャ、フェルナンド・イエロ、ジェフ・ハースト、マリオ・ケンペス、ローター・マテウス、ジネディーヌ・ジダンの8名が務めた。このうちイエロを除く7名は、実際に優勝した代表チームの一員である[26]。
抽選会は、FIFA公式HPで生中継された。日本ではNHKが総合テレビ及びBS1で生中継した。
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